2021年11月8日月曜日

三菱一号館美術館「印象派」4

 

東洋画には、指墨とか指頭画とかいって、指や手のひらや爪に墨をつけて描く技法があります。今回コローも相似た技法を使っていたことを確認することができて、とてもうれしくなったんです。もっとも、ルネッサンス・ヴェネツィア派最大の画家ヴェチェルリオ・ティツィアーノが指頭技法を用いていたことは、辻茂先生の世界美術全集8『ティツィアーノ』(集英社 1978年)を読んで知っていました。

ティツィアーノに学んだパルマ・イル・ジョーヴァネが、師の技法を伝えているそうです。それによれば、ティツィアーノは最終的な仕上げの段階に達すると、指でハイライトから中間色へぼかすことや、人物を生き生きとさせるため、指で少しアクセントをつけることを行なっていたんです。その段階では、筆よりも指で描かれることの方が多かったというのです。


0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「復刻 開館記念展」8

  ネットで調べたら、「蘭陵の美酒」というお酒が売られていましたが、これは李白の「客中行」からヒントを得て、沖縄・石垣島の高嶺酒造所が醸しているリキュールでした。 チョッと脱線してしまいましたが、梅瓶はもともと花瓶じゃ~なく、酒器だったにちがいありません。下がかなりすぼまって...