2021年2月21日日曜日

『國華』蕪村拙稿8

 


僕の独断と偏見を、こんなにも真摯に、間髪を入れず読んでくれた人がいたのです。研究者冥利に尽きるとはこのことだと思わずにいられませんでした。佐藤さんありがとう❣❣❣ 自分のことを振り返ってみると、還暦を過ぎたあたりから、他人の論文をこのように心を籠めて読んだことなど、絶えてなかったような気がします。

そもそも批判が寄せられるというのは、研究者にとってうれしいことであり、名誉なことなんです。尊敬する仏教美術研究者であった中野玄三先生も、著書『日本仏教美術史研究 続』のあとがきに、そのことをお書きになっています。中野先生が発表した論文に対し、若い研究者から多くの批判が寄せられたそうですが、それは先生の問題意識や着想が間違っていなかったことを証明しているというのです。

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