2025年9月29日月曜日

サントリー美術館「絵金」17

その時姫と障子に映る長門は、明らかに鏡像ミラーイメージ関係に結ばれています。そして画面左奥には、3人の人物が描かれています。先の引用には何も言及されていませんが、展覧会カタログの解説が明らかにしてくれます。男は時姫の奪還を命じられたけれども、逆に時姫に斬りつけられて井戸に逃れた百姓・藤三郎、じつは佐々木高綱が井戸から出てくるところです。二人の女性は、時姫を連れ戻そうとしてやってきた阿波の局つぼねと讃岐の局だそうです。

井戸から出ようとする高綱と、右側の局も鏡像関係にあることが分かります。左手で時姫の右手をつかむ三浦之介と、右手に強盗提灯がんどうぢようちんをもつ局も鏡像関係になっています。二人ともこちらを向いていますが、三浦之介を180°回転させれば鏡像になるからです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 3

    新版画は 明治42年 1909 京橋に渡邊版画店を開業した渡邊庄三郎による、文字どおり新しい時代の新しい版画です。 新版画の第1号ともいうべき、オーストリア人画家フィリッツ・カペラリの「鏡の前の女」が世に送り出されたのは 、 大正4年 1915 のことでした。ところで 6...