新型コロナウイルスの感染が最初に中国で確認されてから約半年。私たちの暮らしにどのような影響を及ぼしたのか。毎週日曜朝刊の朝日俳壇・歌壇に掲載された俳句と短歌を通してたどり、8人の選者に作品を寄せてもらった。
朝日俳壇に初めてコロナ禍の句が載ったのは2月10日。短歌はその翌週だった。どちらも題材は、入手困難な状況が続くマスクだった。
旅人の如くマスクを探しけり 斎藤紀子
薬局のマスクの棚の空白に薄き不安が積もりてゆけり 水谷実穂
人々の表情や視線は次第にとげとげしさを増す。
マスクして徒[ただ]ならぬ世に出てゆけり 縣展子
咳をしたら人目 中村幸平
咳をする静まり返るバスの中「花粉症です」被告のごとし 和田順子
0 件のコメント:
コメントを投稿