この座屏を最初に『日本美術絵画全集9 狩野永徳/光信』(集英社 1978年)で紹介された土居次義先生は、一方を「呂洞賓・鍾離権図」とし、もう一方はとくに言及されませんでした。その後、不詳の方は「黄石谷・張良図」である可能性が高いとされ、これが通説になってきました。
「呂洞賓・鍾離権図」は間違いないのですが、「黄石谷・張良図」の方は本当にそうかなぁ?と思っていました。普通にみる黄石谷・張良図と、登場人物の相貌も恰好も周囲の描写もまったく異なっていたからです。
そこでチョッと調べてみたところ、よく知られた老子と関守の尹喜いんきが出会う場面にちがいないと確信するようになりました。それを勢い込んで『國華』に書いたのですが、みんな無視、だれも認めてくれませんでした。
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