2020年7月31日金曜日

山本勉さんの愛猫・ルリちゃんへ8



蕪村の「夕皃の花噛む猫や余所ごゝろ」から思い出されるネコ俳句として、酒井抱一(屠龍)の「から猫や蝶噛む時の獅子奮迅」があげられます。いかにも江戸座俳諧風の、くっきりとした情景を詠んだ抱一に比べて、郷愁の詩人・蕪村のネコは、『源氏物語』につながるような浪漫性にあふれています。僕がいう「微光感覚」とどこかで通じているような気もするのですが……。
夕顔を詠んだ蕪村の句としては、「夕顔や早く蚊帳つる京の家」が佳句としてよく知られていますが、ネコ好き館長としては、ダンゼン「夕皃の花噛む猫や余所ごゝろ」の方ですね()

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...