ある晩みんなで飲んでいると、中国語の歌が流れてきました。これはいいシンガーだ、すごい女性歌手だと思い、店の人に歌手の名を訊くと、「鄧麗君」と紙に書いてくれました。翌日だったか、翌々日だったか、ミュージックショップに行って、この歌手のレコードが欲しいというと、この最新LPがオススメですよと1枚選んでくれました。
いまダンボール箱から、その「玉女巨星鄧麗君之歌第十六集 恋愛的路多麼甜」を引っ張り出してきて、ジャケットをながめているところですが……。
彼女は1953年の生まれですから、当時まだ17歳です。それにもかかわらず16枚目のアルバムというのですから、すでに台湾ではトップスターになっていたわけです。しかし僕はまったく知りませんでした。帰国してから、何十度パイオニアのプレーヤーにかけ、山水のアンプで増幅し、トリオのヘッドフォンで聴いたことでしょうか。
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