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2020年2月7日金曜日

静嘉堂文庫美術館「磁州窯と宋のやきもの」6


この油滴天目に匹敵するやきものを我が和物から選べば、まずは野々村仁清の「色絵法螺貝香炉」に指を折りたいと思います。厚めの素地をつなぎ合わせて造形したそうですが、本当の法螺貝のように見えて、じつは海老茶、青、薄緑、金による上絵付けの効果を最大限生かすために創り出された、イメージとしての法螺貝です。そこに仁清が天から与えられた才能を読み取りたい誘惑に駆られます。

仁清の御室焼きは、姫宗和とたたえられて公家風の茶道を確立した茶人・金森宗和の指導を受けて完成しました。そのためか、仁清の華やかな<姫>の部分にのみ関心が向けられる傾向がありますが、それを根底で支えていた造形にこそ、仁清の真骨頂は現われています。我が館には、もう一つ「色絵吉野山図茶壷」という仁清の傑作がありますが、僕の好みからいえば、やはり「法螺貝香炉」ですね。

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