2018年7月26日木曜日

後期高齢者と李賀1


    少年を啁[あざ]ける

青い葦毛の馬は肥え 金色の鞍光ってる

龍脳 糸に染み入って 絹の単衣[ひとえ]が香り立つ

ぴったり寄り添う美女たちと 玉のさかずき酌み交わしゃ

貧乏人が叫んでる 「クソッ‼ 天上の貴公子めッ‼」

誇って高殿 建築し 緑の竹を下に見る

真っ赤な鱗の高級魚 水底経[みなそこふ]釣り上げられる

乱れ咲く花その前で 時には微醺帯びながら

背にする金の弾丸で 飛び行く鳥を射落としちゃう

「生まれてこの方 人の世話 なんかになったことはない

 なまめく妾[めかけ]が三百人 いや それ以上」と威張ってる

0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』11

渡辺浩さんの著作を拝読すると、恩師・丸山真男先生に対する尊崇の念が行間からも感じられます。スチューデント・エヴァリュエーション――学生による先生評価も世の流れですから致し方ないと思いますが、学問における師弟とはこうありたいものだと、襟を正したくなります。 丸山真男先生といえば、 ...