2025年10月14日火曜日

出光美術館(門司)「琳派の系譜」6

 


今回僕は、髙木さんのギャラリートークが終わり、皆さんが3階の併設展示「茶の湯の美」へ移動したあとも、一人残ってこの蓋物を静かにながめ、改めて感を深くしていました。するとどこからか、「高砂やこの浦舟に帆をあげて……」という謡曲「高砂」の有名な上歌あげうた一節が聞こえてくるような気がしたです。 

そうだ、このモチーフは世阿弥の傑作「高砂」かもしれない――これまで松と波を描いた蓋物とばかり見なしてきましたが、やはりお能や謡曲も導入されているにちがいないと思われてきたのです。いや、導入というと言葉が強すぎます。イメージのかすかな反映といえば、もう少し作品に寄り添うことになるでしょう。


 

0 件のコメント:

コメントを投稿

2026謹賀新年1

    明けましておめでとうございます。  今年も「饒舌館長ブログ」をよろしくお願い申し上げます。    今年の年賀状は根来塗の「湯桶」(東京国立博物館蔵)をフィーチャーしました。パクリましたという方が正しいかな( ´艸`) もちろん今サントリー美術館で開催中の特別展「NEGOR...