2018年7月27日金曜日

後期高齢者と李賀2




お前は知らず 田畑[でんぱた]を 耕し苗を植う百姓

税金督促されたとて 機[はた]織る娘もいないこと

黄金[こがね]や玉を貯め込んで 豪勢なさま自慢げに

赤の他人に挨拶を するたび意気も揚々と……

生まれてこの方 半行の 本さえ読んだことがなく

ただただお金を利用して 社会的地位 買ったのだ

どうして青年いつまでも 現在のままいられよう

波立つ海も変化して 桑の畑になるんだぞ

栄枯盛衰移り行く その急変は矢のごとし

貴様一人にえこひいき 天帝がやる はずもなし

「この青春は永遠だ」――なんどとほざくことなかれ

髪の白さと顔のしわ ひたすらお前を待っている


0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』6

  一般的なくくりでは比較思想史ということになるのかもしれませんが、渡辺さんの思考方法は、もっと能動的です。所与のものを単純に比較するのではありません。例えば纏足を論じながら、話はコルセットへ向うのですが、そこにはある必然がチャンと用意されているんです。起承転結というか、展開のさ...