2017年5月1日月曜日

三井記念美術館「西大寺展」2


曼荼羅なんて、ゴチャゴチャしてよく分からないし、仏さんがたくさん描いてあるだけだなんて言わないでください。こんなおもしろい仏画はめったにありません。確かに美術としてみると、みんな同じで個性がなく、美的感動が薄いかもしれませんが、この世界の成り立ちや、僕たちがいかに物事を認識するかを考える時に、とても役立つのです。それは美術を考える時にも、援軍となってくれることでしょう。

 曼荼羅が生まれたのは古代インドです。まず『大日経』という御経をもとに「胎蔵界曼荼羅」が作られました。次に『金剛頂経』という御経によって「金剛界曼荼羅」が生まれました。はじめ「胎蔵界曼荼羅」は「胎蔵曼荼羅」といって、「界」の字がなかったのですが、のちに「金剛界曼荼羅」に合わせて、「胎蔵界曼荼羅」というようになりました。たった一字ですが、ここには重要な意味があります。

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静嘉堂「曜変天目」2

黒釉の表面に多くの円い斑文が浮かび、その周囲がきらめいて星紋となり、華麗な虹彩を放つ曜変天目は、この静嘉堂文庫美術館所蔵を含めて 3 碗のみ、古くから稀観の神品としてたたえられ、日本だけに伝えられてきました。とくに僕が魅了されるのは、もちろん虹のごとき光彩です。古い文献に...