2025年12月21日日曜日

サントリー美術館「NEGORO」3


  10年ほど前、『國華』で根来特輯号を組んだことがあります。根来が大好きな僕は、主幹の小林忠さんに売り込んで(!?)、巻頭言「『根来塗』特輯に当って」を書かせてもらいました。ここに再録することをお許しください我ながらよく書けていると思うので……( ´艸`)

 日本は漆のまほろばである。おおやまとは蒔絵の国である。我々は漆器の民である。Japanと大文字で始めれば日本、japanと小文字で書けば漆器を意味すること、多くの人が知るところである。Chinaが中国、chinaが陶磁器を指すのと好対照をなすこと、これまた常識に属する。灰野昭郎氏によれば、このような意味でジャパンが最初に使われたのは、イギリス人のジョン・ストーカーとジョージ・パーカーが著わした『漆とワニスの技術論』で、その出版は一六八八年であるという。かの南蛮漆器ブームが禁教政策とともに終息し、その後の輸出漆器、いわゆる紅毛漆器が隆盛の時を迎えようとするころ、すでに漆器はわが国を象徴する美術工芸になっていたのである。 

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