2025年12月9日火曜日

鏑木清方記念美術館「築地明石町」4


  一緒に「築地明石町」をながめていると、井手さんはご自身の感じている疑問――定説では解きがたい疑問を話してくれました。このモデルは泉鏡花の紹介で清方に弟子入りした、江木ませ子という上流婦人ところが、幸田露伴の未完小説『天うつ浪』に登場する「お彤とう」という魅力的な女性も、ダブルイメージのごとく重ね合わされているのです。
 

これらはすでに指摘され、定説となっているところですが、東洋絵画を専門とする井手さん、日本近代絵画をもご自身の眼でしっかり見据えていらっしゃるです。そのことを知って、ただいい絵だなぁなんて思っていた僕は、尊敬の念いよいよ高まるのを覚えたのでした

0 件のコメント:

コメントを投稿

今や北斎・広重とともに「風景版画の3H」とたたえられる川瀬巴水を中心とする新版画展が三菱一号館美術館で開催中です!! 15

  モラエスは「以上諸点の総括」の章でも、 「改革の大演劇」によって「美という美がすべて荒廃しつつある」ことを慨嘆しています。 荒廃 のなかに残るわずかな美を探し求めた、サウダーデの旅の結晶が 『日本精神』 をはじめとするモラエスの著作 だったように感じられます。   旅の画家と...