2025年6月28日土曜日

6月の詩6

 

江戸・祇園南海「庚辰の夏、余 罪を南海に俟つ。鬱鬱として一室に居る。六月溽暑、中夜寝ねられず。因りて江都の旧游を思う」

  「俺は男だ!!」――若きより 血気盛んで進取的

  偉人になれるし学問も トップと自信に満ちていた

  かの木門もくもんの才子には すごい豪傑多くいて

  意気投合しねんごろに 心許して交わった

  月夜に詩を詠み酒を酌む 宴うたげをしょっちゅう開いたし

  春風はるかぜ受けて馬を駆り 花柳の巷ちまたを荒らしてた

  剣を学ぶもたくさんの 敵を倒すにゃ程遠く

  弓矢 習って七重ななえもの 鎧よろい射抜くと空威張り

  かくして十年やったけど 一つもものにならぬまま

  空しく一人の青白き インテリ生まれただけだった


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