2025年5月17日土曜日

高階秀爾先生に感謝を捧げる会6

といっても、もう一つのすぐれたジャンルである短歌の方は、高野公彦編『現代の短歌』<講談社学術文庫>によって親しむだけですが、こっちの方も白秋はすごい!! それに採られる歌集『桐の花』の「君かへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ」は、やはり代表歌と呼ばれるにふさわしい!! 詩より短歌の方が好きな饒舌館長は、『邪宗門』よりこっちに惹かれちゃうのですが……。

拙論「ジャポニスムの起因と原動力」を書いたあと、たまたま北原白秋の『邪宗門』に続く第2詩集『思ひ出』(1911年)を読む機会がありました。しかも「新選 名著復刻全集 近代文学館」シリーズの1冊でしたから、初版そのままの形で……。すると白秋は、序文にあたる「わが生ひたち」のなかで、つぎのように述べていることを知ったんです。

文中にあるTonka Johnというのは、白秋がみずからにつけた英語名で、この「わが生ひたち」の署名もTONKA JOHNになっています。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...