といっても、もう一つのすぐれたジャンルである短歌の方は、高野公彦編『現代の短歌』<講談社学術文庫>によって親しむだけですが、こっちの方も白秋はすごい!! それに採られる歌集『桐の花』の「君かへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ」は、やはり代表歌と呼ばれるにふさわしい!! 詩より短歌の方が好きな饒舌館長は、『邪宗門』よりこっちに惹かれちゃうのですが……。
拙論「ジャポニスムの起因と原動力」を書いたあと、たまたま北原白秋の『邪宗門』に続く第2詩集『思ひ出』(1911年)を読む機会がありました。しかも「新選 名著復刻全集 近代文学館」シリーズの1冊でしたから、初版そのままの形で……。すると白秋は、序文にあたる「わが生ひたち」のなかで、つぎのように述べていることを知ったんです。
文中にあるTonka Johnというのは、白秋がみずからにつけた英語名で、この「わが生ひたち」の署名もTONKA JOHNになっています。
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