また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、
画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。
さらに島田先生は、詩画軸の急速な発展の要因として三つを挙げています。第一に五山文学の目ざましい発展と禅僧の文人化、第二にこれと歩調を一にした絵画の世俗化、第三に元代中国からの影響です。第三の点に関して、中国で題画文学が盛んになるのは北宋に
文人画家が輩出してからですが、元代に入ると題画詩は格段に盛んとなるそうです。その例として、張中筆 「桃花幽鳥図」(台北・故宮博物院蔵)や、紀州徳川家旧蔵の雪窓筆「墨蘭図」が挙げられています。
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