三井記念美術館「魂を込めた円空仏――飛騨・千光寺を中心にして――」<3月30日まで>
まずは本展のカタログ巻頭にかかげられた、三井記念美術館館長・清水真澄さんによる「ごあいさつ」の一部を掲げて、円空仏のあらましと展覧会趣旨を知ることにしましょう。
江戸時代前期の山林修行僧円空は、生涯愛知、岐阜を中心に関東、北陸、さらに北海道までを巡錫し、各地に木彫の神仏像いわゆる「円空仏」を多数遣し、その数は現在五千体を超すともいわれています。 円空は、材となる「樹木」に神仏の姿を観想し、魂を込めてその姿を彫刻しました。
それは現在も飛騨・千光寺にのこる、生木に直接鉈を下ろした像高二メートルを越す金剛力士立像で明らかにされ、日本の彫刻史では平安時代の樹木信仰すなわち「立木仏たちきぶつ」に源を求めることができます。「立木仏」の木に樹神が宿る思想は、樹木を形成する森林、その土地、周囲の山岳の神にも及びます。
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