「ひとり酔い」はイノダコーヒ本店近くにある、ひどい目にあったバーに対する悪口ですが、真意はこのバーを著書で持ち上げていた、大先輩作家に対する恨みにあったんじゃないかな? 丸谷才一がある寿司屋を通して小林秀雄に対するマイナス感情を吐露したように……。一方「ウオッカバーにて」は、先斗町にあるというこの店へのオマージュですが、葉室さんが60代半ばでお亡くなりになったのは、やはり飲み過ぎだったのでしょう。
「薬子」は我が国悪女のトップバッターにあがる藤原薬子と、クレオパトラの「誇り高さ」という共通項を摘出してうならせます。このあいだ東京国立博物館の「大覚寺」展を紹介したとき、チョッと薬子のことも気になったので、とくに興味を引かれたのかもしれません。
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