2025年1月19日日曜日

サントリー美術館「儒教のかたち」13

 

 「僕の一点」は「桐鳳凰蒔絵酒瓶」(東京国立博物館蔵)ですね。「酒瓶」はシュヘイと読みます。これをサカビンと読むと、儒教ならぬ酒狂になっちゃいます( ´艸`) 高さが45センチもある一対の蒔絵酒瓶です。黒漆の地に精巧な高蒔絵や薄肉高蒔絵を使って鳳凰と桐を表わしています。

安永4年(1775)会津藩第5代藩主・保科容清かたのぶが昌平坂学問所に献納した酒瓶とのこと、江戸時代中期における蒔絵技術の最高水準を今に伝えています。一対の酒瓶がまったく同じデザインになっているので、それぞれ雄と雌の鳳凰を正面に出して並べると、両者が見交わすような構図になるのが愉快です。

昌平坂学問所の歴史を伝える『昌平志』に、挿図とともに記録されていますから、孔子をまつる釈奠せきてんで使われたことは疑いありません。やはり孔子様もお酒が大好きだったのかな( ´艸`)

0 件のコメント:

コメントを投稿

『昭和が恋した女優たち』2

激動の時代を駆け抜けた、 116 人の女性たち。スクリーンで輝くその姿は、明日への希望そのものだった。誰もが胸にしまっている、黄金色の青春がよみがえる――  この 116 人のうち、僕が実際に会ったことがあるのは八千草薫さん、若尾文子さん、扇千景さんの 3 人です。八千草さんは静...