2024年11月12日火曜日

O<オー>美術館「相武常雄展」2

「僕の一点」は「風神・雷神」ですね。これは宗達の「松島図屏風」(フリーア美術館蔵)に関する刺激的論文を発表し、『光琳論』で國華賞を受賞した夫人・仲町啓子さんとの合作だ!!と思いましたが、たぶん図星だと思います。

長く日展で活躍されてきた相武さんは、いま国立新美術館で開催中の第11回日展にも出陳されていますが、西欧的ともいうべき人体の束縛を潔く振り切って、東洋の自然に忠実ならんとする新しいベクトルを見せています。

カタログには先日追悼の辞を捧げた高階秀爾先生が、「相武常雄さんの展覧会によせて」を寄稿されています。日本の美術史において工芸の占める位置が極めて大きいことを、相武さんの作品を通して改めて教えられたとお書きになっています。相武さんが伝統を受け継ぎながら、それを発展させているからです。このオマージュは高階先生の絶筆だったのではないでしょうか。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

追悼 高階秀爾先生10

しかし少しでもカッコウをつけようと思い、かつて読んで強く印象に残っている諏訪春雄さんの『日本の祭りと芸能 アジアからの視座』(吉川弘文館  1998 年)の分類を援用することにしました。諏訪さんは次のように指摘しています。  日本列島には有史以前から幾次にもわたって大陸から文化の...