2024年7月1日月曜日

出光美術館「日本・東洋陶磁の精華」5

 


 線刻+緑釉というのが黄瀬戸と基本的に同じだ――そう直感されたのです。影響関係があったかどうかは分かりませんでしたが、よく似ていることは疑いありません。その図版解説をお書きになったのは、編集担当の三上次男先生です。東部内モンゴルでの体験を〆にされた解説も実にすばらしく、感動的美しさに2度も訪ねた内モンゴル希拉穆仁シラムレンの風景を思い出しながら、早速使わせてもらうことにしたんです。

しかし『世界陶磁全集』13には、所蔵者が書いてありませんでした。実際に見てみたいなぁと憧れ続けて23年――ついに邂逅のチャンスに恵まれたんです。しかもお手伝いしている出光美術館で開かれた「出光美術館の軌跡 ここから、さきへⅢ 日本・東洋陶磁の精華――コレクションの深まり」の内覧会においてですよ!! その瞬間残りの陳列を見ることなく、「僕の一点」はこれだ!!と決めたのでした。




 

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