2023年12月5日火曜日

根津美術館「北宋書画精華」6

 

黄山谷「黄幾復に寄す」

  僕は北海・徳平鎮 君は南海・広州に……

  雁に手紙を頼んだが それは出来ぬと断られ

  かつて桃李の春風に 吹かれて酒を酌み交わし

  灯下に聴いてる夜の雨 今や別れて十年が…… 

  家は四方の壁だけで 他になんにもないけれど

  今さら世渡り勉強し 出世せんとは思わない

  きっと君なお本の虫 髪の毛白く 瘴気しょうき立つ

  谷のカズラにぶら下がる 猿の鳴き声聞くならん


0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...