2023年12月4日月曜日

根津美術館「北宋書画精華」5

 

「五馬図巻」の終りには黄山谷の跋文が付いています。僕は黄山谷の書が大好きです。一緒に出ていた「伏波神祠詩巻」(永青文庫蔵)のような、力強く、ノビノビとして、個性的な黄山谷の字はたまりません。

これに較べると、当然のことながら跋文の字は緊張して書いているような感じがしましたが、さすが黄山谷だと思わせるものでした。その翻刻は、板倉聖哲さんが編集した『李公麟 五馬図』(羽鳥書店 2019年)を参照していただくことにして、ここでは忘れがたき黄山谷の七言律詩「黄幾復に寄す」を、またまた戯訳で紹介し、責をふさぐことにしましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」6

 友松は晩年、桂宮家を創始した智仁 ともひと 親王のもとにしばしば出入りし、押絵の注文などを受けていたことが、記録から明らかになっているからです。畏友・河合正朝さんの『友松・等顔』<日本美術絵画全集 11 >(集英社  1978 年)によると、桂宮淑子 すみこ 関係の記録にある「...