2023年11月21日火曜日

出光美術館「青磁」7

江南で歌われたおおらかな蓮採りの民謡は、じつをいえば蓮採りにかこつけて恋人を求め合う若い男女(魚=男、蓮=女)の情歌こいうたであったろうというのが、中国の古典学者・聞一多氏以来の解釈である。

 そうだとすると、河島英五の名曲「酒と泪と男と女」を持ち出すまでもなく、酒と恋はツキモノですから、いよいよ「青磁鎬文壷」は酒壷にピッタシカンカンということになります() 聞一多は名著『中国神話』(東洋文庫)を著わした詩人にして民俗学者、僕は本書を読んで、曜変天目虹霓嫌悪説を思いついたんです。陶磁専門家はみなさん眉にツバしていますが……。 

0 件のコメント:

コメントを投稿

室町のネコ絵6

  この『國華』 1194 号に載る、平田寛先生の國華賞受賞記念講演録「日本仏画の美しさ」にも深く心を動かされます。その感動的な〆の一節を、引用せずにはいられません。 人類の絵画史において、ミケランジェロ絵画の強壮なドラマや宋代水墨山水画のゆるぎない真実を、ひとはすべて偉とす...