2023年10月24日火曜日

サントリー美術館「虫めづる日本の人々」37

 大田南畝は始まりつつあった寛政の改革と、生類憐みの令を重ね合わせるようにして眺めたのではないでしょうか。松平定信が老中となり、本格的に寛政の改革が開始されたとき、身の危険を感じた南畝は、すぐに狂歌から、そして軟派文芸から転身をはかります。しかし心中は、かの宝井其角とまったく同じだったのではないでしょうか。

南畝にとって、寛政の改革は生類憐みの令と同じ悪政だったのです。しかも生類憐みの令はジャスト100年前の悪政でした。老中定信が誕生した天明7年は、生類憐みの令100百年祭(!?)ともいうべき年でした。南畝の脳裏に生類憐みの令が浮かびやすかったともいえるでしょう。

 

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