2023年10月9日月曜日

サントリー美術館「虫めづる日本の人々」26

『画本虫撰』が編集されたであろう天明7年(1787)の100年前は、貞享4年(1687)――それは生類憐みの令を記念する年(!?)でした。愛用する上野益三著『日本博物学史』(平凡社 1973年)から貞享4年の項を見てみましょう。

正月28日、生類憐みの令の追加、牛馬など(実記)。

221日、生類憐みの令、犬に関するきびしい禁令(実記)。

2月26日、生類憐みの令、生鳥飼事および養鶏絞殺の禁(実記)。生類憐みの令はこの後も数次にわたって拡大発令された。行き過ぎた禁令の害(刑罰)が多数の人間の上に及び、遠流(島流し)になったものもある。本末を転倒し、迷妄の上に立った動物愛護。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...