2023年9月21日木曜日

サントリー美術館「虫めづる日本の人々」8


 酒井抱一の「四季草花図巻」(東京国立博物館蔵)から飛んできた蜂が表紙を飾る、洒落たカタログを開いてみましょう。第3章「草と虫の楽園 草虫図の受容について」の中表紙には、次のように書かれています。

『論語』の中に孔子が弟子・陽貨に詩を学ぶ意義について説いた「子曰く、……」という一節があります(『論語』陽貨・第17)。そこでは「(詩を学ぶことで)鳥、獣、草木の名前を多く知ることができる」とされており、この一節はやがて多くの生き物を知り、自らの知識を増やすことを奨励する思想につながり、草虫図が愛好される理由のひとつとなりました。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...