2023年8月22日火曜日

出光美術館「しりとり日本美術」2

 

 「僕の一点」は原羊遊斎作の「草花蒔絵四方盆」ですね。羊遊斎は江戸後期を代表する蒔絵師です。斎藤月岑の『武江年表』には、文化年間の名家として羊遊斎が挙げられていますから、当時から超有名だったんです。羊遊斎の人と芸術については、親しくさせていただいた郷家忠臣さんの研究に尽されています。

1999年秋、五島美術館で「羊遊斎 江戸琳派の蒔絵師」というすばらしい特別展が開かれました。このカタログに郷家さんが寄稿した「評伝 原羊遊斉」によって、羊遊斎のすべてが分かっちゃうんです。一般的に「羊遊斎」と書きますが、郷家さんは蒔絵の落款を重視して、「羊遊斉」の方を使っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...