2023年6月20日火曜日

太田記念美術館「ポール・ジャクレー」7

 

かつて「饒舌館長」にアップしたことがあるようにも思いますが、この考えはいまも変わっていません。もしもそうだとすると、ポール・ジャクレーもジャポニスムの画家だったことになります。彼には最初から最後まで、日本に対する強いあこがれ――異国趣味がありました。

日本だけじゃ~ありません。あこがれたのはミクロネシアの島々であり、朝鮮であり、中国でした。ポール・ジャクレーにとって、すべて外国であり、異国でした。それはエキゾチシズムでした。しかも彼は日本へやって来て、そこで生活し、そこで没したんです。日本だけではなく、ミクロネシアや朝鮮にも住みました。それらは理想の土地であるとともに、生活した土地でした。


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