2023年6月9日金曜日

諸橋轍次博士から受けた学恩感謝の辞4

 


 諸橋轍次博士の詩は、真面目なお人柄そのものです。漢詩集『止軒詩艸』には、つぎのお屠蘇を詠んだ「庚戌元旦」を除いて、賛酒詩を見出すことができないようです。ましてや閨怨詩や艶詩などは……()

  暦 変われば新年だ!! 曙あけぼのの色 清々し

  眼まなこを照らす窓の梅 屠蘇の盃 影 映す

  今年も一つ年を取る――なんどと君よ言うなかれ!!

  老化も止まって蘇よみがえる 逆に赤子の純心が……

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館(門司)「琳派の系譜」7

愛用する『能・狂言事典』(平凡社 1987年)から、「高砂」の「鑑賞」を引用することにしましょう。 編者のお一人である羽田昶さんは、能謡曲にまったく無知であった僕を親切に教導してくださった恩人です。 「光琳と能」「宗達と能」といった拙論をまとめることができたのも、ひとえに羽田さん...