また器種においても、多種多様な作品を出陳いたします。中でも梅瓶、燭台、建築明器類などは極めて珍しい作例と云えるでしょう。その他の作品も、同様の作例の中で美的に秀抜なものを選びました。本展に出品される作品の殆どは、1910 年代から戦前期までに市場に出たと推察されるものです。これは本展を催すにあたってとくに拘った点でもあります。唐三彩のイメージはその発見より百年以上の時を経て、だいぶ固定化し形骸化しているようにも思われます。個々の鑑賞者が感受性の扉を開き、自己の中に瑞々しい感動と新たな可能性を見出す契機となれば幸いです。
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