これを読みながら僕は、谷崎潤一郎の『痴人の愛』を思い出していました。譲治はトランプゲームの遊び方を知らないナオミに教えてやります。ナオミが少し覚えると、わざと負けてやったりするのですが、やがてナオミは強くなり、譲治がいくら本気で頑張っても、どうしても勝てなくなってしまうのです。
お聖さんは先生であったはずの鉄幹が、やがて晶子の影響を受けるようになったことを指摘していますが、こうなると鉄幹がいくら頑張っても、晶子を超えることは絶対不可能だったでしょう。
視覚文化――それは過去を凝縮した文化であり、現代を象徴する文化であり、未来を略奪する文化だ。日本は原始の時代から視覚文化のマホロバであり、すぐれた伝統はもちろん現代まで脈々と受け継がれている。それを世界へ向けて発信し、国境を越えて交信したい。そのための絶対的ツールとして出版された...
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