これを読みながら僕は、谷崎潤一郎の『痴人の愛』を思い出していました。譲治はトランプゲームの遊び方を知らないナオミに教えてやります。ナオミが少し覚えると、わざと負けてやったりするのですが、やがてナオミは強くなり、譲治がいくら本気で頑張っても、どうしても勝てなくなってしまうのです。
お聖さんは先生であったはずの鉄幹が、やがて晶子の影響を受けるようになったことを指摘していますが、こうなると鉄幹がいくら頑張っても、晶子を超えることは絶対不可能だったでしょう。
愛用する『能・狂言事典』(平凡社 1987年)から、「高砂」の「鑑賞」を引用することにしましょう。 編者のお一人である羽田昶さんは、能謡曲にまったく無知であった僕を親切に教導してくださった恩人です。 「光琳と能」「宗達と能」といった拙論をまとめることができたのも、ひとえに羽田さん...
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