2021年12月31日金曜日

高適「除夜の作」

 

 

 除夜となれば盛唐詩人・高適 の「除夜の作」をおいて他になし、かつてアップしたことがあるような気もしますが……。舞い出した風花を見ながら昼酒をやれば、とくに心に沁みます。この絶唱には古来二つの解釈があり、戯訳も二つアップすることにしますが、どちらがお好きかご一報を……。

   ①旅館のともし火 寒々と していて独り眠られず

  旅の悲しみわけもなく いよいよもって深くなる

  千里のかなたふるさとで 年越し祝う人を恋う

  白髪頭にまた一つ 歳を重ねる明日の朝

 ②旅館のともし火 寒々と していて独り眠られず

  旅の悲しみわけもなく いよいよもって深くなる

  千里のかなたふるさとじゃ 思っているだろこの俺を

  白髪頭にまた一つ 歳を重ねる明日の朝

0 件のコメント:

コメントを投稿

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」4

   しかし浜松図の原点は、『万葉集』巻 1 に選ばれる山上憶良の絶唱であるというのが私見です。「山上臣憶良 やまのうへのおみおくら の大唐にありし時に、本郷 くに を憶ひて作れる歌」という詞書きをもつ「いざ子ども早く日本 やまと へ大伴の御津 みつ の浜松待ち恋ひぬらむ」がそれ...