2021年12月23日木曜日

根津美術館「鈴木其一・夏秋渓流図屛風」9

しかも檜は、山林にあって風のため枝がこすれあって熱を起こし、火を発するところから<火の木>と呼ばれるようになったといいます。あるいは<日の木>に由来するという説もあるようですが、いずれにしても古くから神聖視されてきました。浅草寺の本堂修復にも、檜が用いられたことは言うまでもありません。

浅草寺本堂修復成就を記念して制作されたと仮定すれば、これほどふさわしいモチーフはほかにないでしょう。この檜は閻浮樹とダブルイメージになっているとか、渓流は閻浮檀金が採れる河のメタファーだとか、さらには江戸の華の火難除けになっているなどといったら、いよいよ妄想と暴走になっちゃうかな() 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「復刻 開館記念展」3

 去年から微力にもかかわらず出光美術館のお手伝いをすることになった僕ですが、その「僕の一点」は、一対の「青白磁刻花牡丹唐草文吐魯瓶 とろびん 」ですね。中国は北宋から南宋にかけての頃でしょうか、景徳鎮で焼成された逸品です。青白磁は白磁のバージョンですが、影青 インチン とも呼ばれ...