2020年12月19日土曜日

アーティゾン美術館「琳派と印象派」4

これを単なる西欧崇拝とか、ミーハー思考とか見誤ってはならないでしょう。このような日本文化を愛し、日本人でさえ気がつかなかったその素晴らしさを言葉にしてくれた西欧人がいたお陰で、いかに自信を持って近代化を進めることができたか、その近代化がいかに着実なものとなったか、改めて考えなければならないと思います。

少なくとも当時の日本人にとって、それは単に誇らしいというだけでなく、近代化を進めるエネルギーとなり、その正当性を担保してくれるものとなったのではないでしょうか。ふたたび琳派に話を戻せば、明治36年(1903)から39年にわたり、審美書院から『光琳派画集』5巻が出版されています。

 

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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...