2020年11月3日火曜日

服部南郭の秋の詩1

 今年の「饒舌館長」は大好きな服部南郭の春の詩から始まり、そのあと夏の詩を紹介しましたので、続いて秋の詩をエントリーすることにしましょう。もちろんすべてマイ戯訳――漢詩なんだから、もうチョット格調高くやってくれという声も聞こえてきますが() みんな出典は岩波書店の『江戸詩人選集』3<服部南郭・祇園南海>です。まずは「秋夜の吟」から……。

 庭のほとりの木の上で 夜中にカラスが鳴いている

 ベッドの脇の床[ゆか]にまで 月の光が差し込んで……

 秋は悲しく眠られず それが続くは誰がため?

 寒さいや増す長き夜 ついに露さえ霜となる

 鬢の白さを競うなど 止めよ!! 愁いに沈む人

 今宵はすでに半分が 過ぎてしまったことだから 

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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...