秋懐 二首 その1
ひとひらの雲 空の果て 木々 鮮やかに紅葉し
時に感じて見下ろせば 旅人[りょじん]の心 悲しみに……
落ち葉 散り敷く高殿に 光陰矢のごと流れゆき
大海の靄[もや]果てしなく 愁いもいよいよ深くなる
酔えば隠者の庭の菊 採って夕餉[ゆうげ]のおかずとし
病気がちにて髪の毛に 秋の霜さえ見え始む
要領悪い役人が 傲慢不遜となじられて
髪 振り乱し歌いつつ 彷徨[さまよ]うさまは楚の狂人
サントリー美術館「NEGORO 根来 赤と黒のうるし」< 2026 年 1 月 12 日まで> 私たちは根来塗の単純明快なるフォルムを愛しいとおしんできました。朱漆と黒漆のハーモニーに魅了されてきました。風化と手擦れが視覚化する時間の流れに深い感銘を覚えてきました。このような...
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