「岩崎家邸宅を飾った美術品」「茶道具」「東アジアの山水画」「信仰の造形」など8つの章に分け、それぞれの競演を通して視覚的悦楽を体験していただこうという、とても刺激的な構成になっています。学芸員の長谷川さんを中心とするすばらしいコーディネーションです。
例えば、「同一モチーフの競演――中国と日本、師と弟子など」では、沈南蘋の「老圃秋容図」と珍しい原在明の「朝顔に双猫図」が並んでいて、日中のネコ競演あるいは対決になっています。
これは美術史的観点から選ばれたものであって、猫ブームを当て込んだわけでも、ネコ好き館長が権力を行使したわけでもありません(笑) もちろんこちらのコンセプトなんか無視して、あなたのお好きな作品を、みずからの美意識にしたがって自由に堪能していただくことも大歓迎です。
そのためにも、いま最も多くの方々のハートをとらえて離さない、国宝中の国宝ともいうべき「曜変天目」に、急遽出演を命じたという次第です。
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