2020年6月20日土曜日

梅雨5



『漢詩歳時記』には、我らが良寛の「半夜」という七言絶句も載っています。「半夜」にはいろいろな意味があるようですが、この詩の「半夜」とは夜中の意味でしょう。良寛が梅雨時の夜中、心に浮かんだ感慨を詠んだ詩のようです。江戸時代、50歳を過ぎたらもう後期高齢者のはずで、じつにいい詩だなぁと僕が深く共感を覚えるのは、そのせいなのかな()
 我が人生を振りかえりゃ 五十年余もすでに過ぎ
  世の悪しきこと善きことも すべてはみんな夢のなか
  山のいおりの五合庵 陰暦五月の梅雨が来て
  物寂しげに真夜中の 小さな窓に降り注ぐ


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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...