2020年6月12日金曜日

梅棹忠夫『知的生産の技術』5



しかしそれを理解することなく、ハウツーもののように、京大型カードの利用だけを学んだ僕は、招かれざる読者だったんだと思います。
とはいえ、10人ほどが居並ぶ岩波書店の会議――どうも採用の可否を決める会議だったようですが、はじめは「ハウツーものじゃないか。知的生産って一体何だ?」という苦言が続いたそうです。そのなかには岩波書店社長もいたと書いてありますから、ペーペーの大学院生だった僕ならまぁ仕方ないかな?()
『知的生産の技術』は今も大学の教科書に使われ、社会人にも読まれて100刷、145万部に達し、岩波新書の歴代4位の数字をたたき出しているそうです。あのとき僕が1冊買わなかったら、1449999部なのかな?

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