2020年2月19日水曜日

静嘉堂文庫美術館WSと徳川景山の詩3


しかし斉昭は日本の進むべき道をちゃんと見抜いていました。松平春岳には、「自分は従来の経緯があるから攘夷を主張するが、若い人は開国を主張せよ」と言ったというのです。本音を語りたくても語ることができなかった人間斉昭の苦悩も、僕はここに読み取りたいのです。

斉昭は江戸絵画史上においても、大きな役割をはたしました。水戸文人画を代表する立原杏所の才能を見抜き、画業の大成をたすけたのです。杏所は治紀(武公)、斉脩(哀公)、斉昭(烈公)の水戸藩主3代に仕えました。なかでも斉昭の信任はとくに厚く、先手組頭という閑職に杏所を就かせたのは、絵画創作に専念できるようにという、斉昭の心配りであったと伝えられています。


0 件のコメント:

コメントを投稿

追悼シンポジウム「高階秀爾館長と大原美術館」3

   すでに2回予告を行なった 大原芸術財団主催 「追悼シンポジウム『高階先生と大原美術館』」が、先生の祥月命日である10月17日、 夕方5:30から倉敷公民館大ホールで開催されました。キーノートスピーチと司会は、高階先生の跡を継いで大原美術館館長をつとめている三浦篤さん、パネリ...