2020年2月10日月曜日

静嘉堂文庫美術館「磁州窯と宋のやきもの」9


しかし視点をずっと高くとれば、まったく無関係ともいえません。両者のモチーフにおける吉祥性や象徴性――草花でいえば「花ことば」は共通しているからです。もちろん、それらのみなもとは中国にありました。これを知るためには、中村公一著『中国の花ことば 中国人と花のシンボリズム』(岩崎美術 1988年)という名著があります。

これを美術にまで広げれば、宮崎法子さんの『花鳥・山水画を読み解く――中国絵画の意味』(ちくま学芸文庫 2018年)が思い出されますし、1998年、東京国立博物館で開催された特別展「吉祥――中国美術にこめられた意味」のカタログもオススメですよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」3

  江戸時代中期に活躍した肉筆浮世絵師・宮川長春の筆になる絶品です。長春は尾張宮川村に生まれ、これを姓にしたと伝えられています。いつのころか長春は江戸に出て、菱川派や懐月堂派、さらに伝統的な土佐派をも学んで、もっぱら肉筆に創造の場を特化しました。やがて豊麗なる肉筆美人画様式をもっ...