2019年12月2日月曜日

中国美術学院「歴史と絵画」7



僕の「黒田清輝における写実と天真」は、その日午前中の「歴史的現場と芸術的現場」というセッションの最後でした。これまで黒田はラファエル・コランから学んだ外光的アカデミズムを日本に持ち帰ったという通説と、コランから学んだのはしっかりとした思想と骨格をもつ構想画で、これを移植しようとしたが日本の精神的風土に阻まれたのだという高階秀爾説がありました。

これに対し僕は、黒田がフランスから帰国後、久米桂一郎とともに開いた画塾「天真道場」の「天真」にこそ、彼の絵画的理想は披瀝されているのだという持論を発表したのです。これまた妄想と暴走かな(笑)

東京藝術大学に留学中の陸陽さんが要旨を中国語で読み上げ、そのあと僕がスライドを写しながらコメントを加え、それを陸さんが中国語に翻訳するというやり方で進めましたが、僕の日本語発表を省いたのは大正解だったと思います。

何しろ許された発表時間が、20分ととても短かったのです。とくに饒舌館長にとっては……(笑)

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中国美術学院「歴史と絵画」11

長い間、黒田は古典主義と印象派を折衷した外光派アカデミズムを我が国へもたらした画家であり、その決定的要因として、ラファエル・コランとの偶然ともいうべき邂逅があげられてきた。これに対して高階秀爾氏は、まったく新しい黒田像を描き出した。黒田の意図した西欧的構想画は、日...