石水博物館の創設者・川喜田半泥子(1878.11.6~1963.10.25)は、秋に生まれ、秋にこの世を去りました。趣味の陶芸家として知られる半泥子は、自作の工芸作品に自ら銘を付けていますが、中でも秋に因んだものが最も多く見られます。また彼が描く俳画も秋の情景を題材としたものが多く、初秋から晩秋へと移りゆく季節を捉え、日常を活写しています。本展では、半泥子も愛でた自邸千歳山荘の木々の色づきとともに、「秋」をテーマとする半泥子の作品の数々を亜楽しみいただきます。
確かに、5年前はじめて石水博物館を訪れ、「僕の一点」に選んだ俳画作品「千歳山真景図」も、「窯つけばかまの中まで秋の風」という自賛をともなう秋の一幅でした。今回の「僕の一点」は「志野茶碗 銘 おらが秋」――その銘は、「捨て石に踞して雲みるおらが秋」から採られているとのことです。
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