西倉さんは1972年、東京外国語大学中国語学科を卒業して共同通信社に入社、1980年から1年間、北京語言学院へ語学研修生として派遣されました。そのときの留学体験をまとめたのが『中国・グラスルーツ』で、国家対民衆という視点からありのままの中国を描いた傑作ルポルタージュです。
もっとも、第15回大宅壮一ノンフィクション賞を受けたこの本のお陰で、西倉さんは10年間、中国から入国禁止をくらったそうですが……。1989年、僕がはじめて中国に行くことを知った細見良行さんが、ハナムケに贈ってくれたのですが、ワクワクしながら一気に読了したことを思い出します。
僕が中国で少しでも旅行をしようと思ったのも、なるべく普通の人々がどんな生活をしているか知りたくなったのも、この本の影響が少なくありません。
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