2019年8月20日火曜日

漢方薬と饒舌館長3



しかし、ジャーナリストの西倉一喜さんは汽車にも乗らず、万里の長城まで自転車で行ったんですから驚きです。西倉さんは『中国・グラスルーツ』(文春文庫 1986年)で、つぎのように報告しています。

一本だけ制限なしに遠出できるルートがある。北京から万里の長城のある八達嶺[パーターリン]に至る約75キロの舗装道路だ。私は秋から冬にかけほとんど毎日曜日、このルートを自転車で往復した。……これまでの訪中で何回か長城詣でをしているが、自分の足で初めてたどり着いた時ほど、その景観が雄大かつ難攻不落に映ったことはない。

 もっとも、のちにシルクロード450キロを自転車で単独走破することになる西倉さんですから、北京⇔八達嶺なんてチョロイものだったかもしれませんが……。


0 件のコメント:

コメントを投稿

渡辺浩『日本思想史と現在』6

  一般的なくくりでは比較思想史ということになるのかもしれませんが、渡辺さんの思考方法は、もっと能動的です。所与のものを単純に比較するのではありません。例えば纏足を論じながら、話はコルセットへ向うのですが、そこにはある必然がチャンと用意されているんです。起承転結というか、展開のさ...