しかし、ジャーナリストの西倉一喜さんは汽車にも乗らず、万里の長城まで自転車で行ったんですから驚きです。西倉さんは『中国・グラスルーツ』(文春文庫 1986年)で、つぎのように報告しています。
一本だけ制限なしに遠出できるルートがある。北京から万里の長城のある八達嶺[パーターリン]に至る約75キロの舗装道路だ。私は秋から冬にかけほとんど毎日曜日、このルートを自転車で往復した。……これまでの訪中で何回か長城詣でをしているが、自分の足で初めてたどり着いた時ほど、その景観が雄大かつ難攻不落に映ったことはない。
もっとも、のちにシルクロード450キロを自転車で単独走破することになる西倉さんですから、北京⇔八達嶺なんてチョロイものだったかもしれませんが……。
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