今日8月13日は、僕が大好きな江戸時代後期の漢詩人、菅茶山(1748~1827)の祥月命日です。もっとも陰暦での話ですが……。この10日間は静嘉堂も夏休み、今日は富士川英郎先生の名著『江戸後期の詩人たち』から「菅茶山」の章を拾い読みしつつ、あまりにも美しき名のお住まい黄葉夕陽村舎を偲び、訥々とした茶山の声が聞こえてくる廉塾[れんじゅく]を勝手に想像したことでした。そのなかから、季節に合わせて夏の詩を二首ばかり、またまたマイ戯訳で……。
備後神辺[かんなべ]雨降らず 二十日以上も一滴も
川の浅瀬の石や砂 現われ始める水も涸れ
槐[えんじゅ]の影濃き昼下がり 村全体が蝉の声
少年アユを売りながら 涼しい軒下 伝いゆく
雲ちりぢりに……国境[くにざかい] 夜は清らに澄み渡る
頭上にかかる天の川 流れの音まで聞こえそう
隣の子供も寝られずに 涼んでいたのかこの暑さ
同じく散歩の我[わ]を追って 来て尋ねたり星の名を
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