2019年8月14日水曜日

丁宗鐵・南伸坊『丁先生、漢方って、おもしろいです。』5



丁 平賀源内も脳梅毒と思われます。突然、幻覚があって知人を斬りつけた。発狂したということになっていますが脳梅毒でしょう。入牢して、すぐ死んでしまった。拷問を受けたわけでもないのにです。ヨーロッパでも作曲家、詩人、画家、作家、素晴らしい業績を残した、脳梅毒の患者さんがたくさんいます。

南 患者さんていうのがいいですね、なんだか可笑しい。たしかにそうなんだけど。

丁 梅毒が脳にくると、最後は廃人になりますが、その前に一時的にハイになる人がいる。そうすると天才的なアイディアが浮かぶんです。もちろんそれまでにきちんとした知識、経験の蓄積があってのことですが、素晴らしいメロディ、とんでもない詩句、考えられないようなイメージを作り出す。ゴッホ、モネ、オスカー・ワイルド、ボードレール、ベートーベン、シューベルト、ニーチェなんかも患者さんです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

すみだ北斎美術館「北斎をめぐる美人画の系譜」3

 この春興狂歌集に、北斎が魅力的な美人風景図を寄せています。解説によると、現在の新宿・神楽坂あたりの風景で、遠景に牛込御門近くにあった堰の落し口が描かれています。これは「どんどん」と呼ばれて、よく知られていました。  その若草もチョッと芽吹き始めた河原を、3人の美人と、連れの子ど...