2019年1月7日月曜日

謹賀新年7


最後に、五言律詩「新花」を挙げておきましょう。これは王安石の絶筆とされているそうで、元祐元年(1086)夏46日(旧暦)66歳で亡くなった王安石が、その年の春に作ったものであろうと、清水茂さんは推定しています。

ところで王安石の詩文集として、流布本『臨川先生文集』のほかに『王文公文集』がありますが、少なくとも『中国詩人選集』が編まれた段階では、宮内庁所蔵本しか知られていなかった稀覯本のようです。

それにはこの詩が「新花」と「絶筆」という異なるタイトルで、重複して収められているとのことですが、杜撰というよりも、この詩の重要性と内容によるところだったのではないでしょうか。重層的で、老いの哀しみとも、老人への応援歌とも聞こえますが、我々はぜったい後者でいきたいですね!!

 年とりゃ楽しみ減じたり まして病[やまい]の床にありゃ

 水を汲み来て活ける花――流れる香りに慰[なぐさ]もる

 だがその香りはしばしの間[かん] 俺も長くはないだろう

 新しい花 老いた俺 忘れてしまえ 二つとも!! 

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

不倫文化論1

 先に「謹賀新年」と題して、王安石の七言絶句「元旦」から今年の「饒舌館長」を始めたところ、この北宋を代表する士大夫詩人には誠に失礼なことながら、永井荷風『断腸亭日乗』の「一盗二婢三妓四妾五妻」まで行っちゃいました。さらに続けて書きたいと思いましたが、いくら何でも「謹賀新年」じ...